今回のテーマは『ベーシストにも役立つ!【はじめてのジャズ・ピアノ・トリオ】』です。
ジャズ関連の教本は分かりやすいと謳われていても、読んでみると最初の方で挫折…。
そして理解出来なかった自分に対して嫌悪感を覚えたりと、悲しい経験を沢山しました。
その為、とにかく「分かりやすそう」という点を重視して探した結果購入した教本です。
実はジャズ関連で一番最初に買った本でもあるので、結構思い入れがあります。
そんな一冊をご紹介させて頂きたいと思います。
書籍情報
書籍名:はじめてのジャズ・ピアノ・トリオ 1人でも楽しめる☆名スタンダード・ナンバー30
著者:宮前 幸弘
大きな書店や楽器店であれば、簡単に入手出来ると思います。
私は近所にある楽器店で購入しました。
どんな内容?
タイトル通りジャズピアノに挑戦する方向けの内容です。
こんな話からスタートして、ピアノの左手と右手の役割について言及していきます。
一見するとピアニスト以外には役に立たないのではと思われそうですが、実はベーシストにも役立つ内容が多く記載されています。
譜面もベース譜がありますし、ウォーキングのアプローチ方法についてもコラム程度の僅かな内容ですが、書かれています。
本当はジャズベースをメインに解説されている教本が欲しかったのですが、本書が発売された頃はベース向けの分かりやすい解説書は非常に少なく、ジャズ全般の教本が初学者にとって難易度が高いものばかりでした。
そんな中、アドリブの演奏方法や基礎的なジャズ理論を分かりやすくという視点に加えて、親しみのある雰囲気でも解説している本書は非常に画期的に感じました。
特に印象的だったのがソロの演奏方法についてです。
他のジャズに関する教本では難しい理論による解説ばかりに終始していましたが、本書は数パターンのソロアプローチ方法が紹介されています。
王道的にスケールやコードを用いてという方法から、「プロの演奏を耳コピしてしまおう!」とか「何となく弾いてみて音が合っていそうならOK!」のような、他の本では見た事が無い方法まで書いてあります。
このようにソロを演奏する方法は一つでは無いと解説する事で、初学者の人たちは自分に合った始め方を選択する事が出来ますから、結果ジャズへの敷居も低くなりますよね。筆者による工夫が見て取れました!
このソロの演奏方法はピアノで使える方法として解説されていますが、ベースでも使えます。
この部分だけでも読んでみる価値は非常にあると思います。
また収録されているスタンダードの曲の数も多く、「F Blues」や「Autumn Leaves」を始めとした曲が解説付きで掲載されています。
更に筆者によるピアノトリオの模範演奏とマイナスワン演奏(ピアノ無し)が収録されたCDが付属しているので、ピアニストの方はソロ練習に、またベーシストの方でも曲の雰囲気を知る上で役に立つかと思います。
感想
分かりやすさを追求しているとは言え、やはり理論的な話は出てきます。
しかし必要最低限に止め、まずは自分の耳で感じた感覚や雰囲気みたいなものを基にして演奏する楽しさを伝えようとしている事が伝わってくる本でした。
ふとした時に読み返してみると、小難しい方法じゃなくても雰囲気のあるソロは出来るんだなという事を再度気付かせてくれたりもします。
まだ挑戦予定はありませんが、いつかジャズピアノも始めようと思ったら、この本を用いて練習してみたいと思います。
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