今回のテーマは『コントラバスの基本を学ぶなら!【シマンドル】』です。
楽器の教本は数多くありますが、必ずと言って良いほど「定番」が存在します。
今回はコントラバスの定番教本とされている一冊をご紹介したいと思います。
書籍情報
書籍名:シマンドル 新コントラバス教本 第1巻
著者:Franz Simandl
普通の書店や楽器店でも置いてあるケースは少し珍しいかもしれません。
Amazon等の通販サイトであれば確実に購入する事が出来ます。
▼私の所有しているSimandlです。大分疲れた表情をしていますね(^-^;
▼裏はこんな感じです。
どんな内容?
19世紀の音楽家フランツ・シマンドル(Franz Simandl)によって書かれた教本。
タイトルは著者の名前が由来となっております。
シマンドルは主にクラシック奏者向けの教本として知られておりますが、吹奏楽で演奏される方にも愛用されているようです。
価格がなかなかお高いですが、シマンドルはピアノで言うところのバイエルに相当すると言われており、基礎を固めるには非常に有用な教本です。
クラシック奏者でシマンドルをやってこなかった方はいないのでは無いかという位にメジャー。
私が手にしたきっかけは、レッスンでメインに使用していく為でした。
勿論当初は聞いた事も無い本でしたし、書店や楽器店にも置いていなかったのでAmazonで購入。
やはりコントラバスの教本は不遇ですね(^-^;
内容は5部構成となっておりますが、実は私は2部までしかやっておりません。
2部では「3度、5度」のような音程の練習とマイナースケールの学習。
3部以降はやらなくても良いの?
先生曰く、基本を身に付けるのであれば2部までやれば十分との事でした。
全部で160ページほどありますが、2部までだと70ページまでいかない位ですから「それだけ?」思われるかもしれません。
しかし一つ一つの単元をしっかりこなしていくと、1部だけでもかなり時間を要しますので、プロ奏者を目指すので無ければ1部~2部の習得で問題無いと思います。
このシマンドルの良いところは徐々に音域を広めてくという学習進行の構成なので、一番始めに出てくるスケールはFメジャースケールです。
このFメジャースケールはハーフポジションと呼ばれるポジションだけで弾けてしまう音階で、エレキベースで言うところの1フレットから3フレットに該当します。
いきなり広い音域を弾くのはテクニック面だけでは無く、読譜力などのスキルも必要となってくるので初学者には厳しいですよね。
そのような側面からしても限られた音域で徹底的にエチュードを勉強し、音域を次第に広めていくという方法はとても基礎固めに重要ですし、私自身もレッスンを通して強く感じました。
1部が終了した時点でジャズを楽しむ為に必要な演奏力が身に付けられましたし、ヘ音記号で書かれている低音の五線譜にも慣れる事が出来るようになりました。
古い時代から存在する教本ですから「今の時代に合わないのでは無いか?」という疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、レッスン中に先生による譜面の手直しが入ったのは運指を指定する「指番号」くらい。
たまにエチュードでそのような修正がされる程度で、他はシマンドルの記載通りにレッスンが進んでいきました。
このように、非常に良書ですので機会があれば是非手に取ってみて下さい。
感想
やはり長年コントラバスの定番教本とされてきただけあり、理に適った練習法が積み込まれております。
私もシマンドルを通じてクラシックな視点で基礎を学ぶ事の重要性を認識出来ましたし、今でもその基礎が生きていると思います。
今後もシマンドルから学んだことをエレキベースにも生かして、色々な気付きを得てみようと思っています。
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