ジャズスタンダード研究会9『Days of Wine and Roses』

セッション

今回のテーマは『ジャズスタンダード研究会9『Days of Wine and Roses』』です。

ピアニストの友人とベーシストの私によるセッション初心者同士の二人が、あれこれ試しながら音を出してみるというの軽い感じのセッション体験記です。

感じた事や気づきを共有させて頂きたいと思いますので、お付き合いの程宜しくお願い致しますm(__)m

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課題曲

Days of Wine and Roses

私が参考音源としてよく聴いているのが、Oscar Peterson trioによるテイクです。

収録されているアルバム『We Get Requests』では、他にも多くのジャズスタンダードナンバーを聴くことが出来ますので非常にオススメです。

アメリカの作曲家であるHenry Manciniによって作曲。

この曲は邦題が『酒とバラの日々』なので、ジャズプレイヤーの間では「酒バラ」の愛称で呼ばれています。

元々は1962年に制作されたアメリカの映画で、その名の通り酒に溺れてゆくカップルを描いた内容だそうです。

このように映画が元になっているジャズスタンダードも多く存在しておりますので、曲への理解を深める意味でも一度観てみようかなと思います。

選曲理由

初心者向きのキーやコード進行である事はもちろんですが、お店のセッションやワークショップの課題としても取り上げられる事が多いのが理由です。

編成形式

Bass(koba)とPianoによるデュオ

アナライズ

曲構成は「AB」形式の32小節ですね。
キーは調号からFメジャーと判断出来ますが、並行調であるDマイナーの可能性もありますので、念の為最後のコードも確認しておきます。

最後は「Gm7-C7」のツーファイブ進行となっており、この小節のキーはFメジャーです。

よって曲のキーもFメジャーとして捉えれば良いと思います。

セッション実践

テンポは120に設定しました。

使われているコードがFメジャーキーのダイアトニックコードが中心で、所々にツーファイブ進行もありますのでウォーキングやソロが取りやすい曲だと思います。

3~5小節目の「Am7-D7-Gm7」という進行は、このまま素直に弾いても大丈夫ですが、5小節目の「Gm」をⅠ度と捉えて、マイナーツーファイブ進行に変えてみても面白いと思います。

「Gm」をⅠ度とすると、その前のコードは以下のようになります。

「Am7♭5 – D7(♭9) – Gm」

ほんの一瞬ですが、キーがFメジャーからGマイナーに転調するというワケです。

Autumn Leavesと全く同じ進行に変身しますので、そのままウォーキングやソロのアプローチが使えてしまいますね!

スタンダード曲にはこのように共通するコード進行が多く出てきますから、色んな曲を満遍なく練習しておくと自然と他の曲も弾けるようになっていたりします。

ちなみに「D7」というコードですが、キーがFメジャーであれば6度に該当するコードは「Dm7」になるはずですから「D7」というコードはノンダイアトニックコードになります。

これの正体は「Gm」のコードへスムーズに繋がるようになる為のセカンダリードミナントというやつだったりします。

私もまだまだ修行中ですが、即座にコード進行を見抜いてこのようなアレンジが出来るように慣れていけばソロの表現も広がっていきますよね。

まとめ

今回は『ジャズスタンダード研究会9『Days of Wine and Roses』』というテーマでお送りしてきました。

・一つのコードをⅠ度と見立てる事で、別のキーでのツーファイブ進行が見えてきてウォーキングやソロのアプローチの選択肢を増やす事が出来る。
・スタンダード曲には共通したコード進行が数多く存在する(この曲に関してはAutumn Leaves)ので、曲の練習量に比例して他の曲の演奏に流用出来る事が増える。

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